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今回は「初めて論文を執筆するのですが、著者名の順番の決め方はどうしたらいいのでしょうか?」という質問に答えたいと思います。
論文執筆時の著者名を記載する順番について
わが国の医学論文では、研究に貢献した貢献度合いで順番を決めることが多いです。
研究に最も貢献した人を第一著者または筆頭著者(ファーストオーサー)とします。
そして、次に貢献した人を第二著者(セカンドオーサー)とします。
研究グループのリーダーや研究を管理している人を最終著者または最後著者(ラストオーサー)とします。
他にも、コレスポンディングオーサーやギフトオーサーなどという言葉もありますので以下に詳しく説明します。
例)野口一郎,野口二郎,野口三郎,野口四郎,野口五郎:腎臓リハビリテーションと作業療法.透析作業療法雑誌 2;20-25,2020
例)野口一郎(第一著者),野口二郎(第二著者),野口三郎(第三著者),野口四郎(第四著者),野口五郎(最終著者and責任著者):腎臓リハビリテーションと作業療法.透析作業療法雑誌 2;20-25,2020
著者の条件
誰でも著者に名前を入れて良いわけではありません。
著者となる条件は、その研究に真に関わり、論文の執筆にも関わっている人になります。
そのため、当該論文の内容に関しては十分に熟知している必要があります。
医学論文では、著者数が5名程度が多いかと思います。
また、著者として名前を記載するということは当該論文に関する責任も持つことになります。
つまり、もし、論文執筆の際に不正があれば一緒に責任を負うことになります。
共同著者に名前を記載する場合は、必ず投稿する最終形の論文に目を通していることが必要です。
もしそうでないならば、共同著者ではなく、協力者として文末の謝辞に名前を記載するべきです。
第一著者または筆頭著者(ファーストオーサー)
ファーストオーサーは、論文を見た人が最初に目にする著者であり、研究に最も貢献した人の名前になります。
これは単純に一番目に名前が記載されているということだけではなく、他の研究に論文が引用された際に必ず名前が表示されることになります。
例)野口 一郎,他:腎臓リハビリテーションと作業療法.透析作業療法雑誌 2;20-25,2020
論文によって引用スタイルが異なりますので、何人まで記載するかは論文によって異なりますが、ファーストオーサーの名前は必ず表記されます。
第二著者(セカンドオーサー)
セカンドオーサーは、ファーストオーサーの次に研究に貢献した人の名前を記載します。
論文の研究計画を一緒に立てたり、対象者からのデータ収集を一緒に行ったりして貢献した人のことを記載します。
熱心に研究指導してくれた先輩や上司を記載することもあります。
最終著者(ラストオーサー)
ラストオーサーは、研究グループのリーダーや研究を管理している人の名前を記載します。
例えば、研究を取りまとめている上司であったり、医師であったり、研究に関わるリーダー的存在を記載します。
大学院に在籍している場合には、指導教授をラストオーサーにすることもあるかと思います。
その際は、必ず指導教授に指導をしてもらうようにしましょう。
なんの関与もしていないにも関わらず指導教授だからといってラストオーサーに記載することは良くありません。
責任著者(コレスポンディングオーサー)
責任著者または連絡著者のことをコレスポンディングオーサーといいます。
コレスポンディングオーサーは、論文投稿の手続きを行ったり、査読結果の連絡を受け取ったりします。
コレスポンディングオーサーは、責任者である最終著者が務めることが多いかと思いますが、第一著者や第二著者が務めることも多いです。
誰にしたら良いかで迷った時は指導してくれる上司や教授に直接どうしたら良いかを聞いてみましょう。
余談ですが、大学ではファーストオーサーまたはコレスポンディングオーサーが業績として高く評価される傾向にあります。
ギフトオーサー
ギフトオーサーという言葉を聞いたことはありますでしょうか。
これは論文に関与していないにも関わらず、共同著者に名前を入れることを言います。
論文執筆に関与していないにも関わらず名前が記載されているということはあってはならないことですが、実際に起こっていることです。
英語論文では、Author’s Contributionという、「誰が何にどう貢献したのか」という細かな記載を求めることもありますので論文執筆に関与していない方の名前を記載するのは避けましょう。
論文執筆は行なっていないが協力してくれたという場合には、謝辞に名前を記載するようにしましょう。
今回は、初めて医学論文を執筆するのですが、著者名の順番の決め方はどうしたらいいのでしょうか?」という質問に対して、我が国の医学論文では、研究に貢献した貢献度合いで順番を決めることが多いです。と回答させていただきます。
※なお、医学以外の分野では様々なルールがあるかと思いますので他所をご確認ください。