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今回は、「PubMedで論文を検索していますがImpact Factorをひとつひとつ確認しています。この作業を楽にする方法はないのでしょうか?」という質問に答えたいと思います。
・PubMedで論文を検索することがある
・論文のImpact Factorを簡単に調べたい
・PubMed Impact Factorが使用できなくなって困っている
PubMedに掲載されている論文のImpact Factorを簡単に調べる方法
PubMedに掲載されている論文のImpact Factor(インパクトファクター)を調べる際、多くの方はその論文が掲載されている雑誌の公式サイトを訪れたり、インパクトファクターの一覧が載っている外部サイトを参照したりしているのではないでしょうか。
しかし、こうした方法は意外と手間がかかり、毎回となると少し面倒に感じることもあるかと思います。
そんなときにおすすめなのが、Google Chromeの拡張機能「PaperPop」です。
この拡張機能を使えば、PubMed上で論文を閲覧している際に、その場で簡単にImpact Factorを確認することができます。
一度使ってみると、「これまでの手間は何だったのだろう」と感じるほどの便利さです。
研究者や研究論文を読む必要がある学生にとって、非常に役立つツールです。
Impact Factor(IF)とは?
そもそも「Impact Factor(インパクトファクター)」とは、どのような指標なのでしょうか。
Impact Factorとは、自然科学や社会科学分野の学術雑誌を対象に、その雑誌がどれほど引用されているか(=どれだけ影響力があるか)を数値化したものです。
研究者にとっては、学術雑誌の「格」を示す目安として広く使われています。
Impact Factorの計算方法
インパクトファクターは、Web of Scienceに収録されている学術雑誌の3年分のデータをもとに算出されます。
以下はその計算式の具体例です。
例:2004年のインパクトファクターを求める場合
- A = 2002年にその雑誌が掲載した論文数
- B = 2003年に掲載した論文数
- C = AとBの論文が2004年に引用された回数の合計
計算式:C ÷(A + B) = 2004年のインパクトファクター
例えば、2002年と2003年に合計100本の論文を掲載し、それらが2004年に合計200回引用されたとすれば、その雑誌の2004年のインパクトファクターは2.0となります。
Impact Factorの活用と注意点
インパクトファクターの大きなメリットは、同じ研究分野内の雑誌を比較できる点にあります。
たとえば、教育分野の雑誌Aと雑誌Bのインパクトファクターを比較することで、どちらがより多く引用されているかが一目で分かります。
しかし、注意したいのは、異なる研究分野間での比較には適していないという点です。
たとえば、
- (架空の雑誌) American Journal of Computer(情報科学分野、IF:6.618)
- (架空の雑誌) American Journal of Education(教育学分野、IF:2.231)
このように異なる分野の雑誌を比較しても、単純に「どちらが上」とは言えません。
分野によって論文の数や引用のされ方に差があるため、インパクトファクターの数値も異なって当然です。
インパクトファクターにはさまざまな誤解や批判もありますが、研究の質や引用の影響力を測る1つの指標として、今なお重要な役割を果たしています。
PaperPopについて
PaperPopは、学術論文のインパクトファクター(Impact Factor)や人気度を手軽に確認できる、Google ChromeおよびMicrosoft Edge対応の拡張機能です。
PubMedやGoogle Scholarといった主要な学術サイト上で、論文やジャーナルに関する以下のような情報をワンクリックで表示してくれる、非常に便利なツールです。
- 最新のインパクトファクター
- 5年インパクトファクター
- ジャーナルの分野やランク情報
- 引用数やSNSでの言及状況 など
さらに、Google ScholarやPubMedの検索結果を、インパクトファクターや引用数で並べ替えることも可能です。
これにより、研究効率がぐっと上がります。
PaperPopのインストール&使い方
導入はとても簡単です。
ここからは、実際の画面を使って、インストール方法から基本的な使い方までをわかりやすくご紹介していきます。
Chrome ウェブストアで探す
まず、ChromeウェブストアでPaperPopを探します。


2025年3月11日に更新されており、最新のスコアが表示されています。
Chromeに追加する
次に、ChromeにPaperPopを追加します。

拡張機能を追加をクリックすると完了です。

たったこれだけでPaperPopを導入することに成功しました。
PubMedで論文を検索する
あとは、いつも通りにPubMedで論文を検索します。
すると、以下のように情報が表示されるはずです。

このPaperPopの何が良いかというと、簡単にIFが確認できるうえに、見た目が崩れないところです。
実際に論文をクリックすると、今まで何も変わらない画面になります。

余分なものが表示されないというのはとても大切だと思います。
QUARTILE(四分位)とは?
PaperPopをChromeブラウザに追加すると、論文情報の左側に「Q1」や「Q2」などの表示が現れることにお気づきかもしれません。
これは、JCR(Journal Citation Reports)に基づくQUARTILE(四分位)区分を示しています。
この指標は、異なる分野にまたがる雑誌を比較するときに非常に便利な基準となります。
QUARTILEとは、ある分野における学術雑誌をインパクトファクターなどの評価指標でランク付けし、4つの層(四分位)に分類したものです。各区分の意味は以下のとおりです。
- Q1(第1四分位):その分野で上位25%に入る雑誌
- Q2(第2四分位):上位26〜50%の雑誌
- Q3(第3四分位):上位51〜75%の雑誌
- Q4(第4四分位):下位25%(76〜100%)の雑誌
たとえば、Q1に分類されている雑誌は、その分野で最も評価が高い上位雑誌の一つと考えることができます。
このように、QUARTILEの情報を活用することで、単にインパクトファクターの数値を見るだけでは見えてこない分野内での相対的な評価を把握することが可能になります。
まとめ
PaperPopは、研究者や学生が論文の評価指標を迅速に把握し、文献選定や研究の質を向上させるための強力なツールです。
特に、PubMedやGoogle Scholarを頻繁に利用する方にとって、作業効率の向上に大いに役立つでしょう。